徹底したリアリズムで描かれた、ネイビー・シールズ

 シンプソンとブラッカイマーにとって事実をもとにしたリアリズムの追求は映画作りの基本となっている。「クリムゾン・タイド」でも軍関係の手順や処置が事実に基づくように徹底したリサーチを重ねたがその姿勢は「ザ・ロック」でも変わらない。本作では、米海軍のエリート部隊シール・チームで10年以上インストラクターを務め特殊兵器や爆発物の専門家として対テロ対策に従事したたハリー・ハンフリーズをテクニカル・アドバイサーとして起用、脚本のごく初期の段階からアドバイスを受け、ストーリーをよりリアルに、実際に忠実なものにするとともに、襲撃シーンや言葉使い、動作をより現実の軍のそれに近づけた。シール・チームだけではなく、ハメル准将の部下を演じる俳優の訓練も任されたハンフリーズは、コロラド州の水中破壊訓練機関の指揮官、デニー・チョーカーと共に俳優たちに実際の軍事訓練の集中コースを施した。「数日間で彼らは見違えるように本物の軍人らしくなった」とハンフリーズ。バクスター少佐を演じたデビッド・モースは「森の中で互いにハントしたり、技術や戦術を学ぶことには興奮した。もし自分の行動に自信がなければ、それが演技に現れてしまうので懸命に学んだんだ。」ダロウ大尉を演じたトニー・トッドもこう言っている。「我々は敵の見つけだし方、安全な場所の確保等を3日間で習った。子供を傷つけることなくテロリストから逃れる方法等基本的なシールの任務に関する映画も見た。訓練の中にはラ・シェネガの森から仮想のジャングルを抜けてロサンゼルスのダウンタウンに下るものもあった。子供のころの遊びを思い出して楽しかったね」

 撮影の際には本物のシールの隊員が5人加わっている。「銃を手にした動きとその操作を見れば一目で誰が本物のシールかは分かるよ」とショーン・コネリー。「私は海軍にいたから軍のことはそんなに難しくはなかった。ただスタントには時間がかかったがね」。またFBIからも多大な協力を得ており、化学専門家によるアドバイスだけでなく、数人の局員が実際に出演してもいる。


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