ゴースト・リコン
これだけは知っておきたい銃の知識
● ゴースト・リコンと銃
ゴースト・リコンは歩兵戦闘をシミュレートするゲームです。
そのため「これでもか!」と言わんばかりに銃が出てきます。
銃についてよく知らないと、いろいろな銃の違いがわからず、戦場にどの銃を持っていけばよいかわかりません。
その結果、「ただ単に弾が多くて連射できるから」という理由で銃を選んでしまうということがありがちです。
また日本のテレビや報道では銃の表現について曖昧だったり間違っていたりします。
幸いにも民間に銃が浸透していないからなのですが、そのために銃について正しい知識を得られません。
ここでは銃の種類や用法について説明していきます。
最初は大雑把に、そして序所に細かく説明していきます。
● 銃と砲の違い
銃はご存知のように筒から弾丸を射出する兵器です。
では筒から弾丸を射出する兵器なら銃と呼べるかというと、一概にはそういえません。
例えばロケット砲や迫撃砲、艦船の大砲も筒から弾丸を射出する兵器ですが、これらは銃ではありません。
では銃と砲の違いは何でしょうか。
一般的に銃と砲の違いは口径(筒の直径)であると言えます。
一般的に、銃と呼ばれるものの一番大きな口径は12.7mm(0.5インチ)です。
砲と呼ばれるものは大抵は口径が20mm以上のものです。(特殊なものを除く)
また、12.7mmまでの弾頭は金属だけで形づくられており、着弾時の破裂や貫通を目的としています。
それに対して20mm以上の弾頭は内部に爆発物などが仕込まれており、爆発による破壊を目的としています。
このことから、口径が12.7mm以下の兵器を銃と呼ぶと言ってもほぼ間違いないです。
GRでは、アイテム類以外と、爆発する物体を射出する武器以外は「銃」です。
● 銃の種類
銃には様々な種類がありますが、ここではまず銃を5種類に大別して説明します。
ライフル、マシンガン、ハンドガン、サブマシンガン、ショットガンの5種類です。
ライフル / 小銃 |
● ライフルとは
ライフルとは、ライフル弾を発射する長い銃のことです。
※ ライフル弾とは小指程度の大きさの弾です。ピストルの弾よりも大きく、それだけ火薬がたくさん入っており威力も大きいです。
※ 後述のマシンガン(機関銃)もライフル弾を発射しますが、マシンガンはライフルではありません。
● 使用目的
競技 / 狩猟 / 対人戦闘 / 美術品 / 儀仗
● 備考
日本の民間人が合法的に持てる実銃には拳銃と散弾銃と狙撃銃があります。
日本では銃が一般社会に浸透していないため、ニュースや新聞などで銃の事件が報道されるときに銃の種類についてかなり適当に表現され、時には散弾銃をライフルと表現するなど間違っていることも多々あります。
日本では民間人が持てるライフルの種類は狙撃銃しかないため、よく「ライフル=狙撃銃」という誤解がされています。
狙撃銃はあらゆるライフルの種類のうちの一つですが、狙撃銃のことだけをライフルと呼ぶのは間違いです。
あくまでもライフルとはライフル弾を発射する銃のことであり、その種類は様々です。
軍隊や自衛隊などの軍事組織において「ライフル」と言った場合は、ライフルの中でも特に戦争に使われるライフルのことを指して言います。
また、これらの組織においてライフルは日本語で「小銃」と呼ばれます。「小銃=軍隊のライフル」です。
「小」という字が付くからといって、小さい銃というわけではありません。「大砲」と対になる用語です。
第1次大戦のときの小銃は手動で弾を込めて、撃った後は再び手動で空の薬莢を排出するというものでした。
現在では一度引き金を引くだけで弾を発射し、空の薬莢を排出し、新しい弾を装填する機構が備わった小銃が主流です。
このように排莢・装填を自動で行う機構を備えた銃を「自動小銃」と呼びます。
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マシンガン / 機関銃 |
● マシンガンとは
マシンガンとは、ライフル弾を継続的に連射することに特化した銃です。
● 使用目的
対人戦闘 / 対車両戦闘 / 対船舶戦闘 / 対航空機戦闘
● 備考
日本では連射できる銃なら何でも「機関銃」と呼びがちです。
連射するための「機関」を備えた銃という意味ならば間違いではないですが、銃の種類を細かく分類するという観点からすれば間違いであると言えます。
自動小銃や後述のアサルト・ライフル、サブマシンガンは連射できる銃ですが、機関銃ではありません。
機関銃とは「ライフル弾を」「継続的に」「連射する」ことに特化した銃です。「継続的に」という点が重要です。
一般的な自動小銃のマガジン(弾倉)には30発のライフル弾が入りますが、これを連射すると2秒半〜3秒で30発を撃ちつくしてしまいます。連射速度の遅いものでも5秒もかからないでしょう。
さらにこれが20発マガジンだと時間も2/3になってしまいます。「継続的に」とはとても言えません。
それに対し、マシンガンは弾が数多く入るマガジンを使用したり、「ベルトリンク方式」という機構でマガジンを使用しないタイプもあります。
ベルトリンクとは弾がベルト状に横に並べられて連なっているものです。そのため、弾が連なっている限りどれだけでも撃てます。映画『ランボー』シリーズにもよく登場してます。
マシンガンは弾数の多いマガジンやベルトリンク方式により、継続的に連射することができるようになっています。
自動小銃とマシンガンでは、根本的に使用方法が違います。
自動小銃は敵をピンポイントで撃つのに対して、機関銃は敵に大量の弾を浴びせて敵を「釘付け」にするという使用方法があります。
機関銃は、味方の歩兵の前進を援護する銃です。
例えば、味方の歩兵が敵のいる塹壕や曲がり角にじわじわと前進している間に、敵が塹壕や曲がり角から頭を出して味方の歩兵を狙わないように、継続的に弾丸を浴びせて敵が出てこられないようにします。
マシンガンにもいろいろ種類があり、実はかなり奥の深い銃でもあります。
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ハンドガン / 拳銃 または 短銃 |
● ハンドガンとは
ハンドガンとは、携行が容易で、片手で操作が可能な小さな銃です。
● 使用目的
競技 / 対人戦闘 / 美術品
● 備考
日本ではテレビドラマや映画で拳銃が多く登場します。
日本の暴力団による銃犯罪は大抵がハンドガンによるものなので、ニュースなどでも時々耳にします。
日本語ではハンドガンのことを拳銃や短銃と言いますが、テレビではピストルという言葉もよく耳にします。
厳密にはピストルとは薬室に弾が1発しか入らない銃のことを言います。
例えばアニメ『ルパン三世』では、ルパンが持っているワルサーP38はピストルですが、次元の持っているM19コンバット・マグナムはピストルではなくリボルバー(回転式拳銃)です。
ハンドガンはライフル弾よりも威力の弱いピストル弾を発射します。
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サブマシンガン / 短機関銃 |
● サブマシンガンとは
サブマシンガンとは、ピストル弾を連射できる機構を備えた、両手で扱う銃です。
● 使用目的
対人戦闘
● 備考
日本では一番聞きなれない銃だと思います。
サブマシンガンという言葉は知っているけれど、それがいったいどういう銃なのか知らないという人も多いと思います。
マシンガンや自動小銃と混同してしまっている人もいるかもしれません。
サブマシンガンは小銃のように両手で扱う銃で、自動小銃のように弾を連射できる機構を備えています。
しかし使用する弾の種類が自動小銃のような強力なライフル弾ではなく、ピストルと同じ弾を使用します。
サブマシンガンや短機関銃という言葉のせいでマシンガンの一種と思われるかもしれませんが、マシンガンとは用法も用途も全く違う、全く別の銃です。
サブマシンガンは用途・用法が自動小銃に似ています。
自動小銃よりも威力の弱い銃、自動小銃と拳銃の中間の銃、という感じです。
ライフル弾よりも威力が弱いのですが、射撃時の反動がライフル弾に比べて小さいので扱いやすいという特徴があります。
また、銃本体も自動小銃より小さくすることができ、重量も軽くすることができるため取り扱いも容易になります。
第二次大戦のときにはサブマシンガンが使用されていましたが、現在の戦争ではあまり使用されていないようです。
その代わり、警察の特殊部隊が使用するようになりました。
日本でも数年前に警察の特殊部隊SATがMP5という銃を使用しています。
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ショットガン / 散弾銃 |
● ショットガンとは
ショットガンとは一度に多数の小さな弾を発射する銃です。
● 使用目的
競技 / 狩猟 / 対人戦闘 / 美術品
● 備考
ショットガンの弾は弾丸ではなく実包と言います。また、発射される複数の弾を散弾と言います。
これらの散弾はその名の通り拡散しながら飛んでいきます。
そのため日本ではショットガンのことを散弾銃と呼びます。
ただしスラグ弾という、大きな弾丸を一発だけ射出する実包もあります。
そのためショットガン=散弾銃とは一概には言い切れませんが、ショットガンは散弾を使用することが多いので、ショットガン=散弾銃と考えても問題は無いです。
日本のテレビなどでは散弾銃の事件があるときに「猟銃」という表現がされますが、必ずしも散弾銃=猟銃ではありません。
猟銃とはあくまでも狩猟に使用する銃ですので、特定の機構の銃を指して使う言葉ではありません。
散弾銃は上記4種類の銃とは全く別の銃と言っても過言ではないでしょう。弾も違いますし、銃の機構も違います。
GRではショットガンは登場しませんが、ショットガンが入っているMODを導入することで散弾銃を登場させることができます。
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● まとめ
GRで遊ぶうえで、「これだけは知っておきたい!」という知識は以上です。
GRを遊ぶうえでは最低限の知識ですが、銃について全く知識・興味が無い人からすればマニアックな内容かもしれません。
つまりこのページを読んで、このページに書かれていることを全て理解して覚えたならば、あなたは世間一般からすれば立派な銃マニアです。
残念ですが知ってしまった以上、もう後戻りはできません。
あなたは『セーラー服と機関銃』という言葉に過度に反応して、周囲の人に「あれは機関銃じゃなくて・・・」とウンチクを語りだすかもしれません。
しかしこれは本当に最低限の知識です。
もっと知りたい場合は、もっと強くなりたい場合は、さらに知識を付けましょう。
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